企業風土
「WILL MIND」
という精神が
社内に浸透していますね

 学生の皆さんが「仕事」をどのように捉えているかはわかりませんが、私たちには「仕事を楽しもう」という基本的な考えがあります。上から押し付けられてさして興味もないことをいやいややるよりも、自分の好きなことに、自分で提案したことに、自発的に取り組んでいくほうが楽しいはずです。そのほうが、結果的にいい仕事ができるだろうと考えています。
 それを言葉にしたのが、「WILL MIND」という精神なのです。「~しなくてはならない」という「MUST」の義務的な姿勢ではなく、「~したい」という「WILL」の自発的な気持ちで仕事をしていくこと。当社ではそうした社員の気持ちを何よりも大切にしているのです。
 とくに当社のビジネスは、個人個人の能力に左右されることが大きいですし、才能を思いっきり発揮してもらわないと製品も売れないし、会社も発展しません。だからよけいに、「WILL MIND」が重要になるんです。
 実際、社内では、自分のアイデアを会社に提案し、やってみる価値があると認められたテーマは、自由に基礎研究ができるようになっています。そこから形になった製品も多いのです。

技術開発
御社の社内では、
新技術や新製品の開発が活発に進んでいますね

 最近は、体感型のVRマシンが一つのトレンドになっています。ここには高度な三次元CGの技術が使われているわけですが、それを実現しているのが高性能なハード基板です。九七年には新しい基板を開発。また、業務用ビデオゲーム機では新システムが完成。どちらも最大頂点演算性能を大幅に向上し、オブジェクトの立体表現能力を高めています。また現在も、次世代型の基板の研究開発を進めています。
 ただ、アミューズメントは、技術がすべての世界ではありません。現在の体感型三次元VRマシンまでは、電気・電子・機械・ソフトという技術力で実現できました。今後の方向性として、「アミューズメントからエンターテインメントへ」というテーマがあり、「ハイタッチ」というキーワードを掲げています。たとえばレースのゲームならば、当社のスタッフが実況中継を入れて雰囲気を盛り上げたり、コーナー全体をサーキットのようなイメージにしたり。都市型テーマパークでは、スタッフの衣装や事前の説明などにもアイデアを凝らしています。ハイテクノロジーとハイタッチの二つを融合した『ハイパーエンターティンメント構想』を形にしていこうと考えています。

事業展開
今後の事業の構想を
お聞かせください

 これまで通り、本業を中心に堅実な展開を図っていくことに変わりはありません。ただ、会社の視界としては、かなり広い分野を目を向けていくことになるでしょう。「もてなす」「楽しんでいただく」という範囲に入る業種はたくさんあります。関連会社・日活の映像分野も関連性はありますし、同じように関連会社の飲食事業にも共通点はあります。もてなすことのソフト面なノウハウも、本業に相乗効果を与えてくれるかもしれません。
 またアーケードマシンをみると、台数は少ないですが、フィットネスクラブにも導入実績があります。自動車教習所用のドライビングシミュレータなども手がけていますし、ワニを叩くゲームを改造したリハビリテーション機器もあります。会話が不自由な方のための意思伝達装置として公費給付対象品適合した製品もあります。これらは本当に売上比率は小さいんですが、ずいぶんロングランになっていて、こういったところでも私たちの技術が生かされているとすれば、市場の大小に関わらず、それは非常にうれしいことです。

人材
どのような人材を
求めていますか

 当社の製品開発の最大の特徴は、同じものはまず二度とつくらない、ということです。新製品を開発するその度に、新しいものを一から創り上げていきます。空を飛ぶ仕組みを考えたかと思えば、次は騎手の動きをシミュレートする機構をつくったり、さらにゴムボートらしい動きを考案したり、という具合です。これはかなり大変なことでして、楽しいことをたくさん知っていないといけない。いろいろな遊びに興味をもって、積極的に世界を広げていくような人が伸びていますね。
 ゲーム機は今でこそ、電気や機械の技術を駆使していますが、それは「今、最も人々に楽しみを与えられる技術」だからです。この先は、ケミカルや薬学のような知識も加わってくるのかもしれないし、逆に心理学や運動生理学のようなソフトな分野の知識が必要になるのかもしれない。そういった意味でも、常に新しいことに関心を抱いて、自分の世界を広げていく、そんな人が活躍できる会社だと思います。