人生の最大出力を上げる方法、教えます。

建築の道を志すからには、やっぱり一流になりたい。それは誰もが思うことだろう。当社は、建築技術者の2人に1人までが一級建築士の資格を持っている会社。そんなプロフェッショナル集団で、もまれてみないか。

建築技術者の50%までが一級建築士、
という紛れもない事実を
君ならどう見るか

建築技術者40名。うち一級建築士は21名。
しかし、当社ではもっともっと一級建築士を増やさなくてはいけないと考えている。
仕事というのは難しいほど面白い。ハイレベルなほど技術力が要る。
その地域のシンボルとなるような、後世に残るような建築物をつくるには、
自分自身が豊富な知識を持ち、意欲に満ちていなければならない。
そのため、少なくとも社員のほとんどが一級建築士の資格を持っているような、前向きで、
意欲的な集団でありたいと願っているのだ。
50%という一級建築士の比率は決して多いとは思わない。
当社にとっては一つの通過点に過ぎないのである。

一級建築士が経営する
技術志向の会社

 当社では、会長も、社長も、副社長も、専務も、すべて一級建築士である。トップ自らが建築技術者であり、「お客様のために自分たちが持っている技術を発揮しよう」というのが会社の経営コンセプトである。いわゆる利益至上の考えはなく、何事にも技術本意。だから、お客様や設計事務所からの信頼は厚い。
 しかし、技術だけに走ってしまって、経営はおろそかにならないのだろうかという疑問もわいてこよう。当社には不動産部門があり、現在は都内に13棟の自社ビルを所有。これらのビルの賃貸事業を展開し、安定した売上をあげている。こうした経営基盤が、建築部門の“ゆとり”につながり、「一つ一つ丁寧な設計・施工」→「お客様の信頼」→「紹介やリピートの受注」→「社員のやりがい」という好循環を生み出しているのである。

お客様の生の声を聞く
「友の会」

 当社は、20年も前からお客様の口コミで、どんどん紹介の輪を広げてきた。そのベースになっているのが、160名ほどのお客様によって構成されている「友の会」という組織だ。友の会は、ビルを建設するにあたっての税法上のコンサルテーション、お客様からの情報収集などを目的としている。当然のことながら、友の会からはさまざまなクレームも寄せられてくる。ただ、クレームから逃避するのではなく、お客様の声はきちんと受け止めて対処する、というのが当社の基本的な考え。そういう仕事を続けてきたから、お客様も遠慮なくクレームや意見を言ってくれるようになった。そして、お客様のニーズや情報をどこよりもよく知っている会社になったのである。

トップレベルの
建築技術者を育てる

 と、ここまで、会社のことについて紹介してきた。こんな当社であるからこそ、当社に集う社員たちも、やっぱり建築が好きで、何事にも前向きな人材ばかりである。となれば、会社も自然と社員の育成に力が入る。建築士の資格について言えば、取得した際に費用を全額負担することになっている。学校に通った人には、授業料からすべてが負担されるのだ。もちろん、社員の側もこうしたバックアップに応え、現場の仕事の合間を縫ってコツコツと勉強を続けていく。当社の一級建築士たちは、決して時間に恵まれた中で取得に成功したわけではない。頑張り抜いた人たちばかりである。

SINCE 1996
「かしこまりました、
それでは壁をぶち抜きましょう」

道幅がない。でも、地下がある。
施工管理レポート。

 「いやあ、ここまでやるのかと思いましたよ」
 そう話すのは、工事部の真田隆之。これは、東京・四谷のビルの施工についての感想である。

 このビルは、真田が入社して初めて最初から最後まで関わったプロジェクトだった。施工図を書いたり、協力会社の工事のチェックをしたり、と実際の仕事をしながら、実務の勉強もするという時期に携わった物件である。

 「地下1階、地上4階で、オーナー宅のほか、賃貸マンションが19戸。それだけを取ると普通のマンションのようなんですが、同じ敷地の中にやはりオーナーさんのビルが建っていたんです。もちろん土地に余裕がない。狭い私道と隣接しているだけ。で、困ったのが、重機や材料の搬入です」

 道路幅は小型車がやっと入れるほど。これでは、杭工事の材料も、重機も持ち込めない。上司が思いついたのが、隣のビルの地下駐車場から搬入することだった。構造専門の設計事務所に依頼して、綿密な構造計算をしてもらう。その結果を受けて、慎重に地下駐車場の壁の一部分を取り除く。そこから材料や重機を搬入して、まず基礎と地下の部分を施工した。それも通れる大きさが限られているから、小型のもので対応。ある程度できてきてからは、裏のちょっしたスペースに小型クレーンをおいて、隙間から持ち上げて材料を搬入する。という活動を続けて、どうにか形にしていったのである。そして最後は、隣のビルの壁を修復して完工。何事もなかったかのように、ビルは建っている。

 「今は、都営住宅のプロジェクトに携わっています。こちらは、何社ものJVで進んでいるもの。民間のビルから公共的なものまで、いろいろなものを経験できるのが当社の良さでしょうね。それだけ幅広い知識を身につけることができるんです」という。

SINCE 1993
「え? 
こ、こ、こ、これを建てるんですかぁ?」

112.5度、67.5度。
通る人が見て楽しい『精養堂ビル』の完成。

 オーナーの中には、「周辺でどこよりも目立っているビルを建てたい」、「自分だけの表現をしたい」という人もいる。設計事務所経由で来る仕事では、こうしたケースが多い。荻原智が関わったビルの新築工事もまさにその典型。オーナーから「見て面白いものを」と設計士に依頼されたものだった。

 「最初に図面を見たときは、本当に建つのだろうかと思いましたね。何がどうって、とにかく90度のところがないんですから」

 平面図を見ると、そもそも土地が台形で、それに合わせてビルは菱形になっていた。一緒に現場を担当した上司も、20年以上のキャリアの中で、初めての体験だったという。

 「現場ではまずスミ出しという工程があります。一つのスミを出したら、そこから90度振って次のスミを出す、というのが普通です。ところがその角度が112.5度になるんです。そして次のスミが67.5度。サイン、コサイン、うーん、久しぶりだなあと思いながら計算しましたよ。上司は、デジタル式のトランシフトを購入して対応したほどです」という。

 また、外壁のタイルも通常なら厚さ10ミリ程度のものを使うのだが、このビルで使われたタイルは25ミリ。随所にこだわりを持った“作品”が完成したのである。設計士やオーナーは、自分の作品をつくりたい。しかし、それは施工側からすると、無理難題が多く、不可能への挑戦になることも多い。設計と施工、お互いが挑戦心を持っているから、こうした新しいビルが生まれるのである。

 ところで、このビルは地下が駐車場、1階がコンビニ、6~7階がオーナー宅。残りの2~5階は都民住宅になっている。都民住宅の募集では、数十カ所中、20数倍という一番の高倍率になった物件でもある。

SINCE 1991
「また僕の設計で?
今度もお任せください」

次の受注にも結びついた、
『ESP学園本校』の設計。

 このところの当社の実績で多いのが、専門学校などの校舎である。そのうちの一つ、1997年7月に完成した学園を紹介しよう。

 「オーナーさんとしては9棟目のビルになるんですが、当社が発注を受けたのはこれが初めてだったんです。幸い、設計・施工ともにお客様に満足していただけて、リピートの受注に結びつきました。今は、また別の新しい校舎を、手がけています。自分の提案が、お客様に気に入っていただける。それは技術者として一番うれしいことですね」

 学園の設計を手がけた成田達也の言葉である。コンクリートを打ち放した外観と丸み、ガラス張りで吹き抜けの玄関ホールなど、すべて成田が提案したものである。

 「あとは、ロックバンド系の音楽の専門学校なので、スタジオから出す音量がハンパじゃないんです。第一条件が防音というぐらいに音漏れには厳しく、とくに地下室は最大限の防音対策が施されています。当社としても、防音専門の施工会社の人と綿密に打ち合わせをして、万全を期して進めていきました。それはそれは、建築予算の3分の1ぐらいが地下にかけられているという感じですね」

 成田の現在の所属は設計部だが、過去に1年ほど現場の仕事を経験したことがある。現場のことを知っていると、確かに設計する上で何かと参考になる。施工面の技術や予算管理がわかるようになると、どうしても施工しやすいようにと妥協してしまう可能性も出てくる。だが、「設計士が、施工するときのことを気にしたら、いい設計はできない」のだ。ある時は、設計と施工管理とが意見を闘わせてこそ、よい作品が残せるのだという。

「まずは、
『やってみせます』と言い切ることから始めてくれ」

 私が社員によく言うのは、「常に“できる”と言おう」ということです。仕事をしていると必ず何か困難なことにぶつかります。できない可能性もあるけれど、できる可能性もたくさんある。そんなときは、「~だからできない」と考えるのではなく、「こうすればできる」というプラスの発想をすることなんです。「できる」「やってみせる」という強い気持ちで、どうすればできるのか、その条件を考える人間であってほしいと思います。

 そしてもう一つ言うなら、建築が好きな人間であってほしい。仕事として割り切って建築を手がけるような人材は当社にはいません。一人前の建築技術者になるために苦労をしたい。いろいろな知識や技術を身につけたい。自分を磨くフィールドと考えて入ってきた人ばかりです。建築技術者は、担当した建築物を自分の歴史にすることができます。悔いのない人生の歴史を作ってもらいたいのです。

 当社は少数精鋭の会社です。大手ゼネコンのようにセクションが細かく分かれていません。1棟のビルをつくために必要なことすべてが、一人の担当者の仕事になります。また一人の技術者が、オフィスビルからマンション、一般住宅まで、あらゆる建築物を担当していきます。だから、当社では、一つの限られた分野のスペシャリストにはならない。むしろ、建築全般を見渡せる視野の広い技術者に育ってほしい。そのためには、いろいろなことに興味を持ち、勉強していってほしいと思います。

 会社の規模は小さいが、私は技術力と人材力ではどこにも負けない自信があります。今後も会社を大きくする気持ちはありません。少数精鋭のままでいきたい。しかし、どこよりも有能な技術者を揃えた会社でありたいと考えています。