高分子材料を建築分野に応用。
柔軟な思考と大胆な行動で、
化学と建築の常識を書き換えながら成長中。

常に画期的な新製品・新工法を
生み出しながら成長を続ける

 当社は、画期的な防水工法を武器に、今日まで順調な成長を遂げてきた建築材料のメーカー。高分子化学材料を建築の世界に応用した会社として知られる存在です。最近は研究開発に拍車がかかり、次々と新しい技術や製品が誕生。屋上防水から、屋根、土木分野へと確実に活動領域を広げています。耐震建築のための屋上の軽量化をはじめ、社会の動きは当社に追い風です。可能性豊かなビジネス環境のもと、店頭公開をめざしています。

Flexible Thinking & Dynamic Action 建築材料の常識を変えて会社の基礎を確立

社名に込められた開発へ思い

 当社の事業の紹介をする前に、まずこの社名に込められた意味を知っておいてほしいと思う。
 当社が誕生したのは1964年のこと。当時まだ“新進メーカー”だった当社がめざしたのは、同業他社と差別化された独自性の高い商品を開発することだった。その一つの成果が、ウレタンの物資特性を最大限に活用した複合防水技術で、この画期的な差別化商品によって事業を拡大。建築物の屋上の“面”を防水加工の対象にし、同時に屋上、壁、床、スポーツ舗装や舗道などのニーズも取り込み、新しい“空間”を創造する企業へと進展を遂げてきた。現在では、当社の製品は、駐車場からビルの壁面・屋上、競技場トラック、テニスコートなどまで、生活の身近なところにあふれている。そして、国内随一のウレタン防水建材の生産量を持つまでに至っている。
 高分子化学材料を建築の分野へと応用したことが、当社のビジネス展開の最大の特徴である。そうした着眼点と開発力こそ、当社の真骨頂なのである。
 当社では、“Flexible Thinking & Dynamic Action”、つまり“柔軟に思考し、大胆に行動していくこと”をポリシーとして掲げている。新製品や新技術を開発し、新たなマーケットをつくって成長することこそ、当社がめざしている道。社名にはそうした考え方が込められているのである。

2000年に向けた中期経営計画

 当社では、1995年4月から経営の5カ年計画を推進中。計画の中で、2つの大きなテーマを設けている。一つは事業展開について。今後、これまで以上に新技術・新製品を積極的に開発し、それを原動力に、2000年3月の計画終了時には売上高を現在の2倍に拡大していくことである。そしてもう一つが、社内の風土改革。自由に議論できる風土づくり、社員の主体性を育成をめざしている。
 当社が開発した防水工法は、89年に建設省仕様に認定され、その後の事業展開の基礎となった。そこには、無名の優れた技術を何とか広めていこうという、失敗を恐れずに前向きに進んでいくような姿勢があった。それによって、どこよりも強力な事業基盤が確立できてしまったために、逆にチャレンジ精神を発揮する場が縮小されてしまった。しかし、それではいずれ当社らしい個性がなくなり、より一層の発展はありえない。自ら考え、決断し、行動する。結果についての自己責任も負う。そんな主体性のある仕事、それができる組織や風土への変革をめざしているわけである。
 そのために、管理職を中心とした研修に力を入れ、風土改革を推進。また、営業推進部を新設し、最前線に立つ営業活動の質的な改革を図っている。

3年後の株式店頭公開をめざす

 当社は今、かつてないほどの大きなビジネスチャンスを目の前にしているといっていい。これまで培ってきた技術をもとに数々の新製品が誕生。それらが社会の動きとマッチングし、新たなマーケットを創造しようとしているのだ。
 近年の開発製品を挙げると、駐車場防水工法、それを屋根に応用した工法、高剛性プラスチックなどがある。これらの特徴は、スプレー工法などによる作業性の大幅な改善、軽量で速乾性・高速硬化性に富んでいるという点だ。大店法に伴う郊外大型店舗化、あるいは郊外型の大規模アミューズメント施設などの急増で、駐車場防水のニーズは急拡大している。また、阪神大震災以降、古い公共施設などが改修されているが、耐震改修で建築物の重量が増した分だけ、屋上の軽量化が強く求められている。加えて、新築物件の軽量化のニーズはさらに高い。防水という観点で開発された工法が、社会の変化から新たなマーケットを創っているのである。
 一方、自然石透水型舗道、地下構造体シームレス防水などは、土木という新しい分野への進出を実現した。マーケットが縦にも横にも大きく広がり始めているのである。
 こうした事業環境のもと、当社では3年後の株式店頭公開を目標にしている。社員が今以上に仕事にプライドを感じ、一般の人々からも認知される企業への成長をめざしている。

社会にとって有益な事業を推進

 自社の事業がどれだけ社会に有益であるかを、人と地球に優しい技術の開発にも積極的に取り組んでいる。
 たとえば超速硬ウレタン機械化工法は、直接ドラム缶からポンプで材料を吸い上げて屋上表面に吹き付けていくため、容器の空き缶などの産業廃棄物が発生しない。また従来よりも作業も軽減、工事時間の短縮を図っているため、人にも優しい工法として注目を集めている。
 さらに、屋上を緑化するということ自体、一酸化炭素の発生を抑えることにつながる。地球の温暖化防止にも貢献する事業なのである。

将来の当社に必要な社員

 これからの当社に望まれる人材。それは、これまで先輩たちが築き、開拓してきた顧客やマーケットを“守る”人材ではない。何にでも積極果敢に挑み、新たなビジネスを創り上げていくような人材である。現在の仕事や事業にとらわれることなく、常に疑問を持ち続け、柔軟に、客観的に考えていく能力が大切になってくる。当社でしか通用しないというのではなく、どんな会社にいってもトップレベルの能力を発揮していけるような人。そんな人が今後当社を引っ張っていくことになるだろう。

革新の可能性を
持った会社

 当社という会社は、不思議な力を持った会社だと思うんです。そもそもという、防水工事と表面仕上げを同時に行ってしまう画期的な工法を開発して、それを基礎に成長を遂げてきた。業種的には、建築材料という分類になると思うんですが、建設業が不況に苦しんでいるバブル崩壊以降も、売上をきちんと伸ばしている。常識を塗り替える力を持っているところが何よりの強みだと思うのです。あとは私のような若僧でも、一つの営業所の運営一切を任されてしまうということです。30歳そこそこの人間が、所長会議にも出席して、会社の将来のことを考えているんですから。

会社の将来を
自分たちで考える

 当社では研修の、とくに管理職クラスの研修の充実を図っているんです。これも単に一般的な知識吸収や精神論的なものではありません。私自身は現在、次期管理者研修に参加。月に1回のペースで、1年間にわたって持続的に行っていくスタイルです。その内容は、他社の戦略的な成功事例を学ぶとともに、自社の特色や強みなどを事細かに分析。社会の変化などをも考えた上で、将来あるべき姿、めざしていく方向、そのために必要な戦略を考えていくというものです。会社の将来に向けてトップダウンで戦略が決まるのではなく、社員の意志で道が開かれる。そんな会社なのです。

管理職自らが
変わらなければ

 今までの当社は、やはり経験とカンに基づいたビジネスだったかもしれない。それではどうしても、視野が一つに固まってしまう。違う視点から考えることが、難しくなってしまうんです。その意味で、次期管理者研修に参加しはじめてからずいぶん見方が変わってきましたね。管理職自らが変わっていかなければ、会社の風土改革もあり得ないですよね。  ですから、私としては若手社員にもどんどん意見を言ってほしいと考えているんです。その意見が間違っているかどうかは問題ではありません。今、自分たちが取り組んでいることが本当に正しいのか。まずは否定をしてみてよく考えるということも必要なんです。それに、みんなが同じ意見を持っていたのではつまらない。いろいろ意見がぶつかっていく中で、道が開かれていくのだと思います。そのため、会社に対していろいろな提案をぶつけてくれるような後輩に来てほしい。そして、そんな仲間とともに、「防水業界のナンバーワン企業」をめざしていきたいと考えています。