コンセプトは「国土情報の総合コンサルタント」。
その事業展開と営業活動を見てみる。

情報計測事業と、
コンサルタント事業の融合

 「国土情報総合コンサルタント」。これは、アジア航測が打ち出している事業コンセプトである。同社の創業は一九四九年。事業のスタートは、精密な測量調査を行う航空写真測量の専門集団としてであった。現在この分野では、画像解析をはじめとする最新の技術を活用し、また社内でも精密3次元自動計測システムや地理画像情報システムなどの先進システムを開発。航空写真測量で蓄積してきた地理情報をコンピュータで多角的に分析する「情報計測事業」として確立している。
 情報計測事業とともに同社の事業の柱になっているのが、「コンサルタント事業」だ。各種の公共事業において企画・調査・計画・設計といった業務をサポートしている。とくに「都市計画」「防災」「環境」を柱として、設計・地質・海洋などまで、総合的なコンサルタント事業に取り組んでいる。
 いわば、最新技術を駆使して大地の情報を知ることから、社会基盤を創り、それを守り、さらに自然環境との調和を図っていくところまで、トータルに手がけているわけである。そして今、情報計測事業とコンサルタント事業との連携を図り、より大きな力を発揮していこうとしている。それが、同社が掲げる「国土情報総合コンサルタント」というコンセプトなのである。

コンサルティングと
提案が軸になる営業活動

 同社には様々な営業セクションがある。電力会社向けに電源立地計画や送変電建設計画などを進める電力営業部、固定資産管理システムを手がけている固定資産営業部、あるいは幅広い技術をコーディネイトしていく都市計画の営業まで多様だ。それぞれ中央官公庁、地方自治体、電力会社などが営業の対象になっているが、そのすべてに共通しているのはスパンが長く、コンサルティングと提案が営業活動の柱になっていることだろう。
 たとえば都市計画でいうと、地方自治体や住民の声を細かく柔軟に受け止め、社内の専門セクションとも密接に連携を図りながら、先方の意向が反映された具体的なプランを描き出していく。もちろんそのプランは時代の動きを敏感にとらえたものでなければならない。単に豊富な知識や経験だけではなく、営業個々の人間性が大きく関わってくる仕事なのである。