シャッター業界のトップ企業から 総合建材のトップブランド確立へ、
攻めの経営戦略を展開中

 当社は、独創的な商品力、トータルな販売力をもとに、シャッター製品の分野で業界トップの実績を築いています。91年からは、21世紀に向けた長期経営計画をスタート。既存事業の拡充とともに、パーティションやステンレスフロントといった新規分野にも積極的に進出。すでに非シャッター製品は売上高の55%に達しており、さらに2000年には総合建材企業への進展をめざしています。

ターゲットは、
総合建材企業への進展

 当社が創業したのは1956年のこと。以来、40年あまりにわたって、産業や生活のニーズに応えた理想の環境づくりに取り組んできた。商品力や販売力で強さを発揮する一方、サービス体制の充実にも力を入れ、とくにシャッター製品の分野で豊富な実績を構築。シャッター業界のリーディング・カンパニーとしてのポジショニングを築いてきた。現在では、ビル建材、店装建材、住宅建材という幅広い領域を持ち、多彩な事業を推進している。同時に、シャッターやドア、エクステリアなどの既存分野の拡充を図るとともに、間仕切り、ストアフロント、金属横葺き屋根といった新規分野にも積極的に進出。シャッター業界のトップ企業から総合建材企業への進展、そして総合建材のトップブランドの確立をめざした長期的な経営戦略を展開している。

ユーザーのメリットを追求し、
次々と独創的な商品を生み出す

 当社がマーケットで圧倒的なシェアを築いてきた理由の一つとして、オリジナリティ豊かな商品を次々と生み出してきたことがあげられる。商品開発の中心拠点となっているのが、91年に完成したテクノセンター。ここには、営業社員が最前線の営業活動を通じて収集したニーズや情報が、即座にフィードバックされてくる。そして、マーケットの生の声に対してダイレクトに応えた新商品づくりが進められている。また、商品の企画・開発にあたっては、常にユーザーオリエンテッドの姿勢を貫き、使いやすさやユーザーにとってのメリットを追求。モーターやセンサーを駆使した“動く商品”の豊富なラインアップも、当社の特徴となっている。さらに最近では、機能面に加え、デザイン性も重視。空間を快適に、美しく演出する商品の開発に力を入れている。

開発、生産、販売、サービスまで、
各セクションが密接に連携

 商品の直接の納入先になるのは、大手ゼネコンやハウスメーカー、工務店などが中心。当社では、国内におよそ500カ所もの営業拠点を設け、それぞれのユーザーに対して緻密な販売活動を進めている。とくにユーザーが取り組んでいる物件の構想・設計段階から深く入り込み、トータルな視点から最適の商品をコーディネイト。商品知識を基本とした、きめ細かな提案型の販売によって圧倒的なシェアを築いてきたわけである。また、モノづくりの基礎となる生産拠点も、全国13カ所に配置。さらに、サービスの充実にも力を入れ、83年からは全国規模でメンテナンスのFTS(24時間・年中無休のフルタイムサービス)をスタート。「総合品質保証体制」の確立を企業理念として掲げ、開発から生産、営業、施工、メンテナンスまでの密接な連携のもとで事業を展開している。

21世紀に向けた
総合建材企業としての基盤づくり

 当社が91年にスタートさせた計画。これは、西暦2000年を最終年度に、当社がめざす方向性やそのための経営計画を示したものである。主力のシャッター分野にとどまらずに建材全般の分野への進出を果たし、建材の総合企業としての活動を展開。総合建材のトップブランドとしてのポジショニングを確立していくことを最終的な目標にしている。ビジョンでは、第1次から第3次までの各3カ年ごとに中期の経営計画を策定。第1次経営計画では、シャッターやドアなどの既存事業の充実を図るとともに、これをベースとしてエクステリア、間仕切り、フロント分野といった新分野の強化をめざしてきた。また、95年を初年度とする第2次経営計画では、総合建材企業にふさわしいプロ集団としての組織づくりを基本においている。

事業本部制を採用し、
各部門のプロ集団化をめざす

 第2次経営計画では、98年3月の計画終了時までに、売上高2200億円、経常利益220億円の達成をめざしている。こうした計画推進の基本になっているのが、“組織の改革によるプロ集団化”である。95年には事業本部制へと移行し、それぞれがプロとして専門性を発揮する組織づくりを進めている。また、ステンレスフロントや間仕切り、金属屋根などを新規育成分野に位置づけ、商品構成を充実。東京・関西に「ステンレス・間仕切り支店」を、各拠点にも専門セクションを開設し、営業力の強化を図っている。ステンレス・間仕切り分野の人材育成にも力を入れ、養成学校準備室を設置。宿泊施設も備えた学校を新設していく計画だ。このほか、阪神復興プロジェクトも発足。事業部と同格のプロジェクトによって、トップメーカーとしての社会的使命を果たしていく。

めざすは、
大型建築物件

 東京第三支店で、営業を担当しています。私が受け持っているユーザーは、大手ゼネコン2社。日頃の活動とすると、ユーザーの設計・積算部門を回って、建築プロジェクトの情報を収集し、見積もりを作成。さらに現場の所長にも接し、工事で当社の製品が採用されるようにアプローチしていくわけです。私がメインのターゲットにしているのは、シャッターが欠かせない倉庫や配送センター、スーパーマーケットなどの新築工事です。大型物件が多いだけに、一つの工期は短いものでも1年。通常は、2〜3年にわたるものが主体です。それだけ、当社の受注金額も大きく、手応えも確かですね。

新人時代の、
ビッグな受注

 入社した年の10月、先輩から埼玉のショッピングセンターの見積もりを出すように言われたんです。その物件を任せるというわけです。地上6階と、地下の駐車場の分を合わせると、シャッターだけでも200本あまり。見積もり金額も1億数千万円にのぼりました。自分で計算しておきながら、数字を見て手がふるえたほど。今考えると、新人に大きな仕事を任せて自信を持たせようという、会社の配慮だったようです。この物件は競合他社が6社あり、相手はベテランの人ばかり。対するこちらは新人。とにかく熱心に訪問することを心がけ、週2回のペースで、トータルで50回は通いましたね。  何度も顔を見せているうちに、一生懸命にやっている熱意が通じたのか、現場の所長といい感じのコミュニケーションが取れるようになりました。そして1ヶ月後には、当社が主契約者となり、合計3社への分散発注という結果が出たんです。なんと初受注は3000万円という大型受注。入社して4年のキャリアの中でも、この仕事が最大規模の受注額です。もちろん契約が決まったあとも、現場に通ってフォローを続けました。最近では、次の物件にとりかかるときに、逆に情報をいただける所長も何人かできました。私が担当している会社だけでも、所長クラスは200人以上。より多くの人と信頼関係を築いていきたいですね。

独創的な商品

 当社がこれまで開発してきた商品群。そのすべてに独創性や提案性が光っている。たとえば「クリアロール」は、閉店後もウインドウショッピングが楽しめる店舗向けの商品。94年に開発したガラス入り防火戸「ファイヤード」も、商業施設を中心に好調な販売実績を築いている。また、「セラミドール」は、新素材(セラミック系人造木材)を採用し、重厚な質感を実現した防火ドア。一方、最終消費者をターゲットにした商品分野では、スイッチ一つで簡単に天井に収納できる画期的な天井収納ベッド、あるいは「電動昇降式床下収納庫」のように、スペースを有効に活用する商品を生み出している。95年に開発した住宅用窓シャッターの電動タイプでは、業界で初めて障害物の検知装置を標準装備。シャッターを閉める際に、障害物にあたると自動的にシャッターが反転し上昇するという画期的な機能が付いている。

海外戦略

 東南アジアの新興工業国では建築ニーズが高まりを見せ、これに伴って建材に対する需要も急速に増加している。当社の海外工事物件への取り組みも、順調に拡大中だ。当社では、1986年に香港とシンガポールで現地法人を設立。現地のゼネコン、設計事務所などへのダイレクトな営業活動を展開している。また88年には、台湾の有力企業と合弁で、商品の製造・販売を行う合弁企業を現地に設立。続いてマレーシア、タイでも合弁会社を設立し、製造・販売活動をスタートさせている。さらに95年12月には、香港現地法人の拠点として、中国上海市に駐在員事務所を開設した。中国におけるスチール建材のマーケット開拓、現地での事業化の可能性を探るため、市場調査や建設関連の情報収集にあたっている。このほか「ルミエール」など、ドイツ企業からの技術導入で開発した商品もあり、欧米企業との技術・販売提携も、今後の海外戦略の一つに掲げている。

能力開発

 プロ集団化を進める当社にとって、その基本になるのは人材力。いかに優秀な社員を育成し、全体としてレベルの高い人材力を形成していくかが、今後の事業展開での大きなカギになる。新入社員研修は入社前の通信教育に始まり、集合研修、事業部別研修まで、きめ細かな教育カリキュラムを実施。職場に配属されてからはOJTが実施され、管理者が計画書に基づく指導を行い、1年半にわたって能力開発をバックアップしていく。キャリアを積んでからも、階層別・職種別のカリキュラムがあり、自己啓発の支援などと合わせ、能力を磨く環境が整えられている。また、当社には「マイジョブプラン」があり、社員が自ら仕事の目標を設定し、その達成度を評価。そこに至る努力までをきめ細かく評価している。さらに、自分の業務について意見を述べる「自己申告制度」もあり、社員が適性や希望をアピールする機会が設けられている。