都市へ、地域へ、社会へ、環境へ、
あらゆる情報と技術を駆使して拓く
“国土情報”の総合コンサルタント

 当社は、総合コンサルタント事業と情報計測事業を柱に、この2つの融合を図った国土情報総合コンサルタントとしての事業展開をめざしています。情報計測事業では、精密3次元自動計測システムの自社開発をはじめ、さまざまな技術と情報を蓄積。また、都市計画、環境、防災をはじめ、道路・橋梁、地質、海洋などまで、各セクションの技術ノウハウを結集した総合力をもとにしたコンサルタント事業に取り組んでいます。

その街の将来の姿を思い描き、
都市計画の基本プランをつくる

 当社の事業のうち、中核に位置しているのが都市計画コンサルタントです。市町村をはじめとする都市の将来の姿を考え、今後必要な都市基盤の整備や都市施設の配置など、具体的な都市計画の基本プランをつくりあげていきます。
 こうした都市計画を段階的に見ていくと、国が定める「国土総合開発計画」を筆頭にし、さらに自治体の「都市マスタープラン」「市町村マスタープラン」「都市環境計画」「市街地整備基本計画」へと展開されていきます。これらの計画をもとに、個別の「都市防災計画」「市街地整備計画」「交通道路計画」「宅地供給計画」などがまとめられ、それぞれの地域における住宅市街地開発、道路交通網の整備、都市緑化の推進計画など、生活や地域産業に結びついた具体的な事業として実現されていくわけです。当社では、地方自治体のマスタープランづくりをはじめ、こうした都市計画体系のあらゆる段階、すべての分野の計画に取り組み、都市計画の“総合コンサルタント”として幅広い事業を展開しています。
 当社の“総合力”は、社内のそれぞれの組織の連携によって形成されています。社内には、環境部、防災部、道路・橋梁部、また当初からの航空測量事業を受け継ぐ情報計測部門まで、さまざまなセクションがあり、街づくりに必要な幅広い技術を蓄積しています。これらのセクションが専門性を発揮しながら、プロジェクトを柱として融合を図り、ハード面の技術を含めた形で都市計画づくりを推進しています。その計画がプランとしてどれだけ斬新で、優れたものであっても、実際に予算の中で具体的な形として実現し、また人々に受け入れられるものでなくては意味を持ちません。単にソフト面の抽象的なイメージづくりだけに終始するのではなく、ハード面も含めたフィジカルなプランを立案していく。当社は、そうした総合力を持つ都市計画コンサルタントとして、各方面から信頼を獲得しているのです。
 都市計画は、幅広い観点から都市をとらえ、広範囲に及ぶ技術やノウハウをコーディネイトしながら推進していく仕事です。当社の提案が将来の街の姿や都市の方向性に直接関わってくるため、社会的にもきわめて重要な役割を担っている仕事といえるのです。

都市機能と自然環境の共生を
テーマに事業を展開

 環境部では、環境基本計画や環境アセスメント、緑の基本計画、建設環境計画・設計、あるいは環境に関する教育まで、幅広い業務を手がけています。また、地球規模の環境問題に関しては、リモートセンシングを利用した酸性雨による樹木被害、ヒートアイランドなどの調査にも取り組んでいます。一方で、新たな空間情報ビジネスに向けて、社内の総合研究所と共同で環境GISなどの開発も行っています。
 中でも近年、力を入れているのが、河川・砂防、道路、都市計画などの建設事業における環境配慮です。道路建設計画における自然環境に配慮したルート選定、環境保護対策、さらにインターチェンジにおける湿地環境の復元計画や設計など、建設計画と自然環境の共生をテーマにした事業を推進。現在までに、多自然型川づくり、魚道の調査・設計、エコロード、ビオトープ、エコシビルエンジニアリングなど、多くの実績を築いています。

災害から都市や生活、
そして人々の生命を守る

 災害の想定、被害の予測、その対策づくりなど、防災に対する関心が各方面で高まっています。当社の防災部では、砂防、河川などの自然災害からの防災、そして都市防災までを活動の対象としています。土砂災害や風水災害などでは、危険度の判断から、災害想定調査、対策計画づくりまでを一貫して手がけています。また、警戒・避難体制づくりといったソフトから、防災施設の計画・設計といったハードまで、広範囲にわたるノウハウを発揮しています。最近では、単に自然災害から人々の生命や生活を守るだけでなく、自然環境に配慮した防災施設づくりにも対応しています。
 一方、都市防災では、都市、人間、自然というテーマのもと、災害の危険性を調査する防災アセスメント、都市や地域における防災計画づくり、さらに地域住民に啓発するためのパンフレット作成までを行っています。とくに都市防災の基礎になっているのが、シミュレーションの技術です。計画づくりを支援するシステムを活用しているほか、災害時の被害状況をリアルタイムで把握するシミュレーションシステムを開発。計画づくりだけでなく、防災ためのノウハウや技術までを幅広く提供しています。

地域の機能全体を視野に入れた
コンサルタント業務を展開

 道路や橋梁という分野に特化した建設コンサルタント業務を推進しているのが、道路・橋梁部です。道路・橋梁の建設では、主に交通渋滞の解消といったテーマを抱えているケースが多く、その地域の住宅地や商業地、公共施設の配置状況、さらに幹線道路や周辺道路の状況、実際の車両の動きなどを綿密に調査していきます。
 その調査結果に基づき、橋梁やバイパスを建設することで渋滞がどの程度まで緩和されていくのか、道路や橋梁だけでなくその他の都市機能に渋滞の原因がないか、あるいは道路や橋梁を建設せずに車両の流れを変えていくことができるのか、といった判断を行い、基本構想をつくっていきます。その後、基本的なレイアウトを検討し、構造や形状を提案。強度はもちろん、景観、デザイン、経済性など、多元的にアプローチしていきます。
 また、当社では、基本的な環境影響調査の段階から携わっており、環境と調和した計画づくりに結びつけています。生活に密着した中規模の橋梁計画をはじめとして、日本初・世界初の技術が駆使される長大橋の計画まで、さまざまな規模の道路・橋梁を対象に豊富な実績を築いています。

事実を正確に再現する技術を
生かした文化財・遺跡調査

 重要な文化財や遺跡の調査・計測、保護対策計画も、当社の事業領域の一つになっています。ここには、創業当初から手がけてきた航空写真計測などの写真測量技術が発揮されています。とくに文化財・遺跡の調査では、近接写真測量と呼ばれる技術が活用されています。これは、小型計測カメラや通常のカメラを使って、物の3次元データを取得し、形状や大きさを測定していく手法で文化財や遺跡の計測、設計した模型の正確な形状の計測などに生かされています。
 たとえば、文化財の保存計画では、文化財としてのデータと保存整備のためのデータが必要になります。通常の写真測量では2次元の平面図しか得られませんが、近接写真測量では3次元形状のデータが得られるため、ソリッドモデリングによって完全な3次元モデルを作成することができます。さらに、ソリッドモデルツールや光造形技術を活用するによって、光硬化樹脂に紫外線レーザーを当てて元の形状を再現することも可能になります。こうした精密な3次元計測技術には「事実を正確に再現する」というメリットがあり、文化財や遺跡の保護対策計画をはじめとして、その用途は多方面に広がっています。