“面”や“空間”をトータルに
創造する企業へ成長した今、
2000年に向けて5カ年計画を推進し、
さらに、組織体制と権限委譲、人材育成を
充実させていく。

面・空間創造企業
高分子化学材料を建築分野へと応用し、
あらゆる面や空間を創造する

 当社の社名は、“Flexible Thinking & Dynamic Action”という企業ポリシーを反映させたものです。事業の新しい拡がりに即応しながら常にチャレンジを続けていく、当社の将来的な姿勢も表しています。  業界では後発メーカーだった当社が圧倒的な成長を遂げ、ウレタン防水建材の生産量で国内トップシェアを獲得するようになったのは、他社と差別化された独自性の高い商品の開発してきたことに要因があります。特にウレタンの物資特性を最大限に活用し、各種防水材をはじめとして塗り床材や体育施設用弾性舗装材などを開発してきました。
 このように当社のビジネスは、高分子化学材料を建築分野へと応用したところに最大の特徴があります。技術面のカギになったのが、DD工法という複合防水技術の開発でした。ポリウレタン樹脂には膨れる・切れるといった問題があり、建築への応用が難しいといわれてきました。当社では、そうした欠点をすべて解決し、あらゆる建築物の屋上の“面”を防水加工の対象にすることに成功したわけです。また、防水加工を施すと同時に、テニスコートや駐車場、庭園・緑化利用なども行う「屋上開発のトータルシステム」を確立し、建築物のすべての“面”を対象に、屋上、壁、床、スポーツ舗装や舗道などのニーズも取り込みながら、新しい空間を創造しているのです。
 最近では、パワレックス工法、ランスロック工法、ネオタイリング工法などの新技術も生み出し、今後の成長のための足固めができています。こうした背景のもと、95年4月から「経営5カ年計画」を推進し、2000年には売上高170億円の達成をめざしています。ただし、計画の主要テーマはむしろ中身の充実にあります。当社の特徴であるラグビー型組織経営や分社制度を進化させ、より自由で強靭な組織をつくっていきます。また、すべての階層の人材教育を強化し、人材力のパワーアップも図っていきます。それができれば、売上高は自然と達成されるのです。
 例えば、トップがいなくても、ビジネスが力強く展開されていくよう組織と人材力の形成していくこと。それが現在の目標なのです。

ラグビー型組織経営
社員一人一人の役割分担と
権限を明確にし、情報を共有化

 5カ年計画の中心に据えているのが、組織づくり、風土づくりです。今までも、社員一人一人の役割分担や権限の明確化と、的確な状況判断による行動のための情報の共有化をめざし、“ラグビー型組織経営”を打ち出してきました。これは、創造性の高いビジネスへと結びついています。また、次期経営幹部の育成のために「分社制度」も実施しています。各営業拠点を“会社”とみなし、所属長が“社長”として運営していくもので、社員の意識を高めることに役立っています。今後はさらに経営幹部の育成を強化し、ラグビー型組織経営ももっと浸透させていきます。社員が自由に自主的に動き、トップがいなくても社員の力で会社がどんどん伸びていくような組織や風土を形づくっていきたいのです。



人材教育考
教育制度を単独では考えず、
評価、昇給昇格、教育訓練を絡める

 組織は、一人一人の社員の能力によってその機能が最大限に発揮されるものです。ですから、当社では優秀な人材の育成のために、社員研修にはとくに力を入れてきました。新入社員研修をはじめとして、階層別、職種別、部門別に研修カリキュラムを用意し、また評価や昇給昇格と教育訓練とをリンクさせた人事制度を確立してきました。今後は、5カ年計画を推進していく中、人材育成をさらに充実させていきます。ラグビー型組織経営で必要とされるのは、経営感覚を持ち、上から指示をされなくても的確に主体的に行動していける社員なのです。そのため、一通りのキャリアを積んだ入社4年目以上の社員の教育をより強化し、自ら会社をリードしていくような人材を育てていきたいと考えています。

営業社員の仕事

 当社では、営業活動でも他社との差別化を図っている。直接の納入先は実際に施工を行う工事会社だが、官公庁の建築関連の部署に対してビデオなどを活用した商品説明会を開催。ゼネコンや設計事務所、施主へのPR活動も行っている。商社任せではなくダイレクトセールスの基本を貫いているため、マーケティングやコンサルティングのウエイトが高く、物件に自社製品が採用された時の手応えが大きいわけだ。また、工事会社に新商品を紹介したり、お客様のニーズに合った工法の相談に応えたりというのも営業社員の大切な仕事である。営業部門では、入社後はまずPR活動を中心に担当。2年目から担当の工事会社を持ち、3年目で技術的な対応も可能になるというのが標準的なキャリアステップになっている。このほか、営業社員の評価では、単に数字だけを見るのではなく、商品説明会実施の達成率といった“営業のプロセス”も重視している。