複合企業グループを形成するシステム経営と、
次世代住宅を生み出す商品開発力を探る。

 戸建住宅の販売戸数で№1の実績を築いている当社。そうした実績の背景にある同社ならではの特徴として注目されているのが、「システム経営」である。これはNASAのアポロ計画にヒントを得たという経営手法で、事業分野別に分業化を図り、住環境に関わる幅広い事業をシステム的に展開していこうというもの。一例を挙げると、高級住宅街建設や超高層マンション開発に代表される開発事業、あるいはサンフランシスコでの大規模な街づくり「ヒドゥンブルックス大規模開発」も展開中だ。また一方では、CS・BS・CATV対応の「マルチメディア住宅」の開発を推進すると同時に、関連会社が住生活情報やショッピング・流通情報の番組を制作するという具合に、“住環境”というテーマのもと、各社が有機的な連携を持つ複合企業グループとして壮大な事業を展開している。当グループにはすでに上場企業が11社誕生。その関連企業はおよそ二五〇社にも達している。グループ総計の売上高は一兆円を超え、毎年の新入社員の採用人数だけでも一〇〇〇名にのぼっている。
 「システム経営」は、住宅の販売・施工にも採り入れられ、分業化が図られている。当社が全国的な視野で、商品の企画・開発、設計・施工技術の開発を行う。こうしたバックアップ体制のもとで、ディーラーと呼ばれる販売会社が販売活動や設計・施工、各地域の商品の開発を自由に行うという仕組みである。こうした展開によって、それぞれの地域に密着した活動を可能にし、№1の実績へと結びつけているのである。

5年連続Gマーク選定が証明する独創的な開発力

 当社のもう一つの大きな特徴が、卓越した商品開発力である。そもそも当社の事業は、創業者がプレハブ住宅の工法である「木質パネル工法」を考案したことから始まった。これは、木質パネルを高分子接着剤とスクリュー釘で面接着する工法で、在来工法の木の良さと、2×4工法の箱形の強さを兼ね備えている。その後も、画期的な開発を続けてきた。その独創性や技術力は、通産省のグッドデザイン商品に5年連続、通算6商品が選定されていることでも証明済みだ。
 当社では、“心の豊かさ”の時代に対応して増加する自由時間を家で楽しく過ごすための空間を提案してきた。新商品は、休日のように日常を過ごせる“休日の家”。ゆとりある空間と、多彩なインテリア材や設備機器を装備した“上質の家”でありながら、“納得価格”を実現している。まさに、次世代の木質系住宅といえよう。
 また、内装材として使われている木材は、建築木材を特殊加工した新素材。木の温もりや自然の色調を持ちながら、木の特性をはるかに超えた性能・品質を持つ“夢の建築材料”である。耐湿性、耐久性にも優れ、浴室やサッシ枠などにもこの木材が使われている。木材資源を有効に利用し、環境保護にも貢献できる点でも高く評価され、この木材を利用したサッシは、九五年グッドデザイン商品の中でも特別賞「地球に優しいデザイン賞」を受けている。

「ホームエンジニア」
という名の営業スタッフ

 最後に、当社の営業の仕事も紹介しておこう。当社では、営業スタッフを「ホームエンジニア」と呼んでいる。通常は、営業スタッフが契約や受注までの業務をメインに行い、設計・プランニングに関しては設計技術者が担当するのが一般的だが、当社では営業スタッフが設計プランを作成する。お客様の要望を聞きながら、平面図、立面図、外観パースなどを描き、お客様の夢を形にしていく。その際には敷地調査も行い、周辺状況や法的な規制や条例なども踏まえて最適なプランをつくり上げ、お客様に提案していくのである。
 また、契約後も、税法面や資金面のコンサルテーションを含めて、引き渡し、完工後のアフターフォローまで、一連のプロセスすべてにタッチしていく。プロとしての徹底した姿勢がお客様から信頼を受けており、その信頼は紹介による受注の比率を高さにも示されている。
 もちろんこうしたプロを養成するには、教育研修の充実が欠かせない。新入社員研修では「ホームエンジニア・コース」を組み込み、必要な商品・建築・施工の基礎知識を吸収。職場に配属された後も定期的なフォローアップ研修を実施している。このほか、独自のネットワークを持つ衛星放送を利用した教育・教養講座や、100を越える通信教育制度などで、ホームエンジニアとしての成長を強力にバックアップしている。