起業家が事業を創る会社。
当社流の事業スタイル、
人材システムを日本の産業界に提言。

“住”“生活”をキーワードに、
他業種にまたがる事業を展開

 新しいことに大胆に取り組む企業は数多いが、当社ほどの行動力が伴っているケースは少ないかもしれない。まず人材活用という点では、就職逆指名制を確立。しかも、有能な人材には、キャリア5〜6で管理職を任せていこうという方針を打ち出している。また、事業展開においても“住”というキーワードのもと、機動性豊かに次々と新事業を開拓。他分野にまたがる幅広いビジネス領域を持つまでに至っている。

変化し続けること

 ビジネスの世界では、業種間の垣根が低くなっている。金融しかり、流通しかり、製造しかり。様々な企業が複合的なビジネスを展開。単一的な事業内容の企業は、圧倒的に少なくなった。これには規制緩和の動きも影響しているのだが、それ以上にビジネスの仕組みが変わってきたことがあげられないだろうか。同時に、ライバル企業同士が業務提携を結び、競争しながら、協調路線を進むという動きも顕著になってきた。盛んに唄われているのが、“つながり”や“パートナーシップ”というテーマだ。昔ながらの視点でビジネスをとらえていては、企業体質は古くなる一方であろう。
 当社も、一般的な業種分類では“商社”に入ってしまう。しかし、そうした分類をすること自体に当社は疑問を抱いている。企業を業種で分けることは、21世紀には意味をなさなくなるに違いない。当社の事業展開を見れば、そのことが理解できるだろう。
 「ニーズに応えるものがないのなら、新たに発掘する。それでもなければ、創ってしまう」というのが当社の基本方針だ。最近の例でいえば、「日本が本当の意味での先進国になるためには、もっとリッチで夢がある住環境を手にしなければいけないはず」という発想から、世界中の高品質住宅を探し、実際にヨーロッパの輸入住宅の建築事業に取り組み始めてしまった。常に社内の組織改革を進め、変幻自在の事業スタイルを持続する。それが当社の企業理念なのである。

プレイヤーとは

 “社員”という言葉がある。“職務”という言葉もある。確かに、生活のために、会社の従業員として担当する職務に取り組んでいた時代なら、正しい表現だったのかもしれない。しかし、どこの企業もが“起業家精神”に富んだ人材を求め、“実力主義”の報酬体系をめざす今、“社員”や“職務”の意味は大きく変わってきている。当社では、個々の人材が手がける仕事はプレイ(事業)であり、メンバーはプレイヤー(起業家)であると考える。
 当社は、“住”や“生活”をテーマに、縦にも横にも幅広いビジネスを進めている企業だ。建材・ツーバイフォー・カラーベスト(不燃性建材)といった多彩な商品を取り扱うと同時に、グループ企業ではウェルダンノーブルハウスという北欧系住宅の建築事業にも取り組んでいる。さらに設計・プランニングから施工管理まで手がける建設部門もあり、また一方ではホームセンターの経営など一般消費者に向けたビジネスも展開中である。
 もちろん、これらのビジネスもはじめから存在していたわけではない。当社のプレイヤーの果敢なプレイによって何もないところから生み出され、育てられてきたのである。こうした起業によって成長を続けていく、これが当社の基本スタンスなのである。だから人材への期待は、次なる新事業を全くのゼロの状態から起こしてほしいということに尽きる。当社では、“社員”から“プレイヤー”への成長を心待ちにしているのだ。

日本への提言

 企業が“能力主義”というテーマを打ち出してからどのくらいが過ぎただろうか。しかし、完全に能力や実績だけを評価している例はまだまだ少ない。これは、能力が入社後の仕事を通じて開発されていくことが多く、実際には潜在能力や学力、適性、人間性といった基礎要素をもとに採用しているためだろう。そのため、どうしても終身雇用制や年功序列賃金という古い人事システムの片鱗が残ってしまうのである。
 当社では本当の能力主義を実践するためには、採用の方式そのものから変えていかなければならないと考えている。就職に際して、“企業が学生を選ぶのではなく、学生が自分の夢ややりたいことを実現するために職を選ぶべきだ”と考えている人は多いだろう。ただ、問題になるのが、学生側がビジネス界に対して、具体的にどんな能力を発揮し、どれだけの実績をあげることができるかということをアピールしにくい点だ。そのため、どうしても企業側が募集活動をし、入社試験を経て採用するという従来の流れから脱却できないでいるのである。むしろ、学生一人一人の具体的な能力が明記された“人材リスト”があり、それを参考に企業側が人材にアプローチするという逆方向の展開のほうが、本当に自分を生かせる場が見つかるはずだ。そのためには、ドラフト制度や逆指名といった仕組みも必要になるかもしれない。当社はプレイヤー発掘を真剣に考え、「BUSINESS OVERTURE」という産業界の新システムづくりを構想している。