既成の枠にとらわれずに、
自由な発想と大胆な行動力で、
挑戦を続ける総合ファイナンス企業

経営は堅実に、発想と行動は大胆に、夢に挑戦し続ける企業姿勢

 同社Sグループの国際総合ファイナンス企業。クレジット、リース、レンタルを中心に幅広いビジネスを展開している。国際汎用カードの発行、国際携帯電話のレンタルなど、常に新しい試みに積極的に取り組み、ファンの拡大に大きく貢献してきた。また、96年にはブラジルでのクレジット事業にも進出。活動の領域を海外へと拡大しており、社員の活躍フィールドも世界へと広がっている。

商品のマーケッターとして

 情報通信やAVなどの分野を中心に、国内・外で根強い人気を得ているS社の商品。人気の秘密は新しさや技術力、ブランドイメージにあるのだが、一方でクレジットやリース、レンタルといったシステムが商品のマーケティング・セールスを強力にサポートことも見逃せない。当社は、ファイナンスという側面からのアプローチによって、マーケッターとしての役割を果たしている企業である。

大胆な行動と着実な経営

 “他社にまねのできない独自性”。これが当社の事業展開の一つのテーマである。大胆な発想によって、次々と新しい事業を切り開いてきた。そして、もう一つのテーマが“堅実経営”。メーカー系ファイナンス企業として、クレジットやリースといった“モノに直結したビジネス”に徹してきた。景気が激しく変化する中にあっても、16年連続で業績拡大を果たすなど、安定した企業経営を推進している。

ファン拡大に欠かせない存在

 クレジットビジネスは、一般消費者マーケットでファンを拡大していくために欠かせない存在である。商品を購入しやすいという消費者の利便性はもちろん、特約店に対しても販売力強化というメリットを提供している。また、93年からは独自の情報端末を特約店に導入。すでに2000台以上が設置され、情報戦略化に大きな効果を上げている。

多彩な機能を持つ国際汎用カード

 92年、メーカー系ファイナンス企業初の国際汎用カードとして誕生した商品は、世界190カ国、1000万店以上の加盟店での利用が可能で、海外旅行障害保険や日本語情報サービスなどで海外旅行もサポート。外洋帆船協会や東京フィルハーモニー交響楽団など、ユニークな提携先も数多く開拓している。現在の会員はおよそ10万人。98年には50万人規模へと拡大していく計画である。

ユーザー企業の経営をバックアップ

 リース事業は、業務用のビデオカメラや編集機器などを放送局・制作会社に提供していくことを目的にスタート。現在では、一般企業や官公庁、大学などへとユーザーを拡大。コンピュータシステムやFA機器、車両まで、多彩な商品を扱うようになっている。また、メーカーグループとして有しているノウハウを生かし、保守契約や精密機器のコンサルティングを含めたオペレーティングリースにも取り組んでいる。

グループの枠にとらわれない展開

 メーカー系ファイナンス企業という位置づけではあるものの、グループの枠にとらわれていないこと。これが、当社の特徴である。クレジットの特約店には、家電・OA以外の小売店や量販店も多い。またリース・レンタル事業では、他メーカーの商品を、グループ以外の企業や一般消費者にも提供している。グループパワーを生かしながら、自主独立の道を歩んでいるのである。

未知のマーケットを創造する

 今までになかった新しい商品を世の中に広め、未知のマーケットを創り上げていく。レンタル事業は、そうした活動を進めていく上で重要なポジショニングにある。これまで手がけたものでは、水中ビデオカメラや国際携帯電話、カーナビゲーションなどがあり、現在はバックライトフォトシステム、電子楽焼きシステム、グラストロンなどに着手。時代の最先端をいく商品のマーケティングに取り組んでいる。

経営基盤の強化に結びつくビジネス

 不動産、保険も当社のビジネス領域だ。97年には合同ビルの建設を予定。他業界の企業とタイアップしたオフィスビルの有効利用も進めている。オフィスビル賃貸を主体にした展開が、優良な財務体質に結びつけている。また、7割以上の社員が保険代理店業務の資格を取得。96年には商品の保証期間を3〜5年に延長できる新しい保険商品「ご安心パスポート」を開発している。

成長性の高い新しいマーケット

 一般家庭にコンピュータ・ネットワークが普及する中で、この分野のビジネスも成長中。関連会社が行うインターネット接続サービスや情報提供サービスのクレジット利用料金回収、オンラインショッピングの会員カード発行を担当。96年10月にオープンしたホームネットでは、ネットワーク事業者に対するカードデータのプロセッシングサービスを提供。他のネットワーク事業者へも営業展開していく計画である。

国際的なクレジットビジネスの展開

 96年11月、ブラジルに現地法人を設立。ブラジル国内でのクレジットビジネスをスタートした。まだクレジットシステムが未整備であるために、家電製品などの消費が活発でない国も多い。そうした潜在的ニーズを持ったマーケットにも目を向けている。今後はシンガポール、マレーシアなど、アジア各国への進出も計画中で、社員の活躍のフィールドは海外へと広がっている。

“ファイナンス”を越えた企業へ

 設立20年を機に、今後のテーマとして打ち出したこと。それは、“新たなる挑戦”である。96年4月には、リース部門の中に全く新しいマーケットの開拓を行う専門セクションを新設。また、93年には関連会社を設立し、スキー場の経営やゴルフのラインキングの作成など、スポーツの分野にも進出している。さらに、前述のインターネットのプロバイダーにも資本出資するなど、もはや事業領域は“ファイナンス”のひとことでは言い表せなくなっている。
 このほか、海外事業では同業他社との提携も実現。今後は、各方面の企業とパートナーシップを発揮し、相互補完によって密度の濃いサービスを追求していく。そして、2000年に向けた中期計画では、①情報通信、②医療・福祉、③住宅・生活文化という3分野にターゲットをおいている。生活やビジネスのあらゆる場面で、世界中の人々に認知される企業への成長をめざしていく。