エンジニアリング、ネットワーク、
情報システムの3分野でSIを展開

国際的な情報力を生かして世界中で次々と生まれる新技術・新製品を見出す。そして、豊富に蓄積したユーザーの業務知識や情報活用技術をもとに最適のシステムを提案していく。エレクトロニクス商社という特徴を生かし、エンジニアリング、ネットワーク、情報システムの3分野でシステムインテグレーションを展開する同社の活動を紹介しよう。

先端エレクトロニクス商社

当社は1975年、グループのエレクトロニクス事業部門から分離・独立した。総合商社の国際情報力、強力な技術部門を持ち、世界の先端技術をユーザーに適した形で提供している。

システムインテグレーション

当社の強みは、優れたシステム製品、ユーザーの業務知識、情報技術の3要素にまたがる総合力。理想の情報環境を実現するシステムインテグレーションが高い評価を得ている。

システムインテグレーションのカギを握る国際情報力

 「技術」という言葉が、情報力やコーディネイト力をも意味するようになってきた。とくにシステムインテグレーションの世界では、国内・外の優秀な技術・製品を見出し、それらを有効にコーディネイトし、国内市場やユーザーに最適なシステムを構築していくという動きが目立っている。
 当社は、そうした情報力やコーディネイト力を発揮している先端エレクトロニクス商社だ。また、商社としての利点を生かすと同時に、社内に強力な技術部門を有し、新製品やベータ版などの検証からユーザーに対応した形への改良やテクニカルサポートまで、幅広い業務をカバーしている。各メーカーの研究所と共同開発を行ったり、学会メンバーとして成果を発表したり、あるいは海外メーカーへテクニカルトレーニングに赴く社員もいるほどで、技術への取り組みも積極的だ。こうして、情報収集に始まり、商品開発、コンサルテーション、システム提案、販売、ユーザー教育、技術サポートまでにいたる一貫体制を確立。「システム製品」「ユーザーの業務知識」「情報技術」という3要素が整ったシステムインテグレーションを展開しているわけである。
 マーケット的に見ると、同社の事業エリアは「エンジニアリング」「ネットワーク」「情報システム」の3分野が中心になっている。それぞれの部門で活躍する社員の仕事を通じて、同社の事業を紹介していこう。

研究者や技術者を支援する
エンジニアリング分野

 前述の3分野のうち、エンジニアリング系のシステムを扱っているのが第1・第2事業部である。自動車業界や建築業界向けの3次元CAD、科学技術研究支援システム、CASEツール、3DCGなどまで、エンジニアや研究者、デザイナー向けにトータルシステムを提供している。ここで、超並列コンピュータを担当している彼に話を聞いてみた。
 「このシステムはいずれ大型コンピュータの主流になり、メインフレームにとって変わるだろうといわれているものです。九五年二月に、従来の二五倍の性能を持つ新機種が出たんですが、まだ研究機関でも性能を試している段階。今後、一気に市場が広がる可能性が高いですね」という。
 彼の現在の仕事は、大学や研究所に対するシステムインテグレーションという意味合いが強い。研究者や技術者のベンチマーク・テストにも対応し、新機種をサーバーとして使った案件があればトータルシステムとしての提案も行う。
 「これまでは、流体解析やパターン認識などの科学技術計算が主体だったんですが、今後はVODサーバー、大規模データベース・サーバーやマルチメディア・サーバーとしてのアプリケーションを開発していきたいですね」という。彼の目には、新たなマーケットが映っているようである。

常に次のトレンドを探る
ネットワークエンジニア

 ネットワーク事業部では、LAN、WAN、広域ネットワークなど、あらゆるネットワーク構築を手がけている。その中で、彼は、分散コンピューティングLANを担当。とくに今、取り組んでいる技術としては、分散並列処理があるが、これはネットワークの中の複数のマシンを同時に動かし、並列に処理させるものである。
 「先端技術はアメリカのベンチャー企業で生まれることが多いので、アメリカの関連会社に常に動向を監視してもらっています。何か新しい技術や製品が見つかったら、すぐに入手。自分たちでテストをし、国内で展開していきます。今は、世界中で刻々と新技術や新製品が生まれてきますから、いろいろな情報の中から何が次世代のトレンドを作るのかをいち早くキャッチして、仕事に結びつけていくことが大切ですね」という。

ユーザーの実像に鋭く迫る
システムプロデューサー

 「オープンシステムの台頭は、当社にとって強い追い風ですね」。これは、システムプロデューサー・嶋崎秀樹の言葉だ。彼が所属する情報システム部は、オフィスシステム関連のインテグレーション部隊。ユーザーの業務を熟知したシステム提案に特徴がある。
 「分散型のシステムでは、実行する業務にきめ細かく対応する必要があり、ユーザーの日常の仕事を知り尽くしていなければ、最適のシステムはとても構築できません。その点、当社にはアプリケーションの豊富な開発実績があり、技術も、ユーザーごとの業務知識も十分に蓄積しているんです」という。
 ユーザーのシステム部門との打ち合わせだけでなく、実際に日々システムを使う人たちにもヒアリングをする。また、経営陣から長期戦略を聞き出すことも多く、多方面からユーザーの実像に迫っていくのである。