映像・画像とコンピュータ技術を融合し、
「放送映像」「産業映像」「CAE」の
3分野で事業を展開中。

ハード・ソフト両面から
映像・画像の技術を追求する

 同社は、世界有数の映像総合企業グループの一員。映像・画像をコンピュータ技術と結びつけ、ヴァーチャル・スタディオ・システム、ディジタル・ハイスピードカメラ、3次元CADシステムなど、数々の先端的な製品を送り出している。現在、同社には放送映像、産業映像、CAEという3つの事業分野があるが、いずれも今後の伸びが期待されている分野だけに、同社の将来も目が離せない。

先端的な技術、システムによって、
放送業界の革新に大きく貢献

 当社の事業の1つめの柱。それは、放送映像分野である。ディジタル技術が放送の世界でも盛んに使われるようになり、きめ細かな映像の合成などもよく目にするようになった。こうしたテレビや映画などの映像づくりで、活用されているのが当社の製品である。これまでに、高品質な画像合成をリアルタイムで行う製品、そのソフトウェア版などを開発。また、世界の先端技術にも目を向け、英・R社の装置(フィルムの映像を標準テレビ信号に変換する)、カナダ・D社の製品(複雑なエフェクトをつくり出す3次元ディジタル画像処理システム)の販売にも着手。世界中の様々な技術を放送界に提供している。

これまでの常識を大きく書き換えた独自のシステム

 当社では96年11月、全く新しいタイプのヴァーチャル・スタディオ・システムを開発した。基本的には、背景画と出演者とを合成するという仕組みだが、あらかじめ取り込んでおいたCGや風景などの背景画を、それも静止画像ではなく動画像までをリアルタイムで合成できるところに特徴がある。そのため、「アナウンサーが、摩天楼が窓の外に見える部屋でニュースを読む」といった映像を企画しても、わずかなスペースのスタディオでヴァーチャル・セットをつくり出せるわけである。また、従来は、ヴァーチャル・スタジオにはワークステーションレベルのコンピュータシステムが必要だったため、導入や運用のコストも大きかった。この製品は、驚異的ともいえる低いコストで高品質の映像合成ができるため、そのあたりにも各方面から注目が集まっている。現在では放送局はもちろん、大学や研究施設でのヴァーチャル・リアリティーの研究にも用いられている。

エンジニアリング、
建築設計などの分野をサポート

 自動車や家電製品、建築物など、いろいろな工業製品の設計・開発に、コンピュータシステムが利用されている。いわゆるCAD(Computer Aided Design)と呼ばれる設計支援システムを中心として情報化が推進され、今やなくてはならないシステムになっている。当社製品の特徴は、以前なら高性能なコンピュータを使わなければできなかったような複雑なことも、一般のパソコンレベルでできるようにしていること。また、最新のOSにも対応。LANなどのネットワーク環境のもとでの利用を考えているため、グループ作業としての設計、その効率化にメリットがあり、建築業界、機械・電気などのメーカーから高い評価を受けている。

常に新しいフィーチャーを持った
CADシステムを提供

 当社のWindows95対応のCADソフト。発売以来、わずか3カ月の間に5000本を越える販売本数を記録した大ヒット商品である。現在も、好調に販売実績が拡大中だ。その人気の秘密は、低価格で高速な処理、多彩な機能を実現しているため。同時に、建築設計業務向けのオプション、さらには本格的な3次元CADも開発。多彩なラインアップを整え、いろいろな方面のニーズに応えている。
 また、住宅・建築業界をターゲットにした3次元プレゼンテーションシステムは、設計と営業、両方の支援をターゲットにしている。間取りの打ち合わせから完成イメージに近いカラー画像でのプランの提示など、効果的な営業・プレゼンテーション活動を力強くサポートしている。一方、ここでのデータをもとに詳細図作成や立面図作成へと結びつき、あらゆるプロセスに対応している。高品質CGで外観、内観などを簡単な操作で作成してしまう優れた機能が高く評価されている。

医学や航空宇宙などの研究から、
先端技術の開発、スポーツ科学まで

 映像技術の進化によって、今まで見えなかったものが、鮮明な画像でとらえられるようになっている。当社のディジタルハイスピードカメラは、学術研究、民間企業の研究開発などで、未知の世界を探求することに活用されている製品だ。たとえば医療の分野では、人間の運動動作を細かく解析することで、より有効な治療やリハビリテーションに役立てられている。声帯の微妙な振動と音声との関係の分析、義歯の新成形技術のための実験などにも映像技術は欠かせない存在になっている。
 また、最近ではクルマに標準装備されるようになってきたエアバッグの研究開発。実験段階で、衝突の一瞬を細かく解析できれば、より安全なセイフティシステムの確立に結びついていく。
 さらに、身近なところでは、ハイスピードカメラと動体解析ソフトを組み合わせ、スポーツの指導や選手の競技技術の向上、スポーツ用具の開発に役立てられている。

1秒間を4万コマの高品質・
高精細な静止画としてとらえる

 当社には、1秒間に4万コマのハイスピード撮影を可能にした高性能な製品がある。これは、磁気テープを使った通常のVTRでスローモーション撮影した場合に比べると、ざっと数百倍の速さを実現していることになる。シャッター速度は、最短で100ナノセコンド(10億分の1秒)という数字で、ほとんど想像がつかないレベルにある。ほんの“一瞬”を鮮明な画像で、それも手に取るように見ることができるわけである。
 また、同じシリーズの製品は、スポーツ分野の研究・指導などを目的とした製品だ。小型化・低価格化を図りながらも、1秒間に最高600コマという、通常のCCDカメラのおそよ20倍にあたる高速撮影を実現している。