事業の2つ目の柱は、自社開発の介護関連製品

メーカーになった。自社開発製品による新事業を展開中

 現在のメインである輸入製品には、ドクターの細かいニーズに応えるという点でどうしても限界がある。当社でははじめからメーカーを志向していて、8年も前からいくつかの製品アイデアを温めてきた。技術系企業と提携して技術を吸収し、研究開発も進めていた。いつの間にか特許・実用新案は70件(出願中含む)を越え、実は自社商品も開発。これが当社でいう国産化の戦略で、今後は輸入製品同様に力を入れていく。グラフを見れば成長性は一目瞭然。今後は自社開発製品の比率を50%に高め、新しい事業の柱へと育てていく。また、輸入製品では新たに“人工関節”にも進出中だ。

研究開発者がいる。モノづくりの新拠点が完成

 当社の研究開発の拠点になっているのが神奈川県の工場で、新社屋を完成させた。開発スタッフも10名規模に達し、介護関連製品を中心とした自主開発体制を整えている。また、アメリカ・ユタ州に現地工場を開設しているが、日米の研究開発スタッフは日常的にも密接な情報交換を行う。同時に、新たに技術吸収・人材育成のプログラムを設定し、技術的な交流も図り、お互いの技術ノウハウを共有し、刺激を与え合いながら研究開発の機能を高めていく計画である。

ライバル製品がない。体位交換という新しいコンセプト

 こうして登場した自社開発の代表的製品がある。重傷患者を看護・介護するための機器で、自動的に体位交換をしてくれるもの。実はこれ、厳密にいうと競合製品がなかったりする。床ずれだけを防止する製品は今までも存在したのだが、それとは違って体位交換という新しいコンセプトに基づいている。人間には最低必要な運動量があり、健康な人なら睡眠中7分に1回寝返りを打つ。継続的に体を動かすことで血液循環や内蔵の働きを活発化する作用があり、これを狙いにしたものなのだ。

2本目の柱へ。4年後には売上比率を50%に高める

 従来の製品の販売先はドクターや医療機器であったが、老人施設や一般家庭といった新しい分野もターゲット。高齢化が進む中で医療機器に対する政府援助の実現も予測されているし、またアメリカにも自社開発製品の生産拠点を開設し、海外で販売展開していく計画も進行中だ。こうした可能性豊かなマーケットに向け、本格的な介護装置、脳外科向けの頭蓋内圧測定装置などの新規製品も投入。4年後には自社開発製品の売上比率を50%にまで高め、事業の2本目の柱に育てていく。

アメリカ・ユタ州に人工関節などの生産拠点を開設

 当社では人工関節の研究開発会社を資本傘下に入れ、新たな現地生産工場を開設した。新工場では、人工関節、脊椎固定器具を生産していく計画だ。通常、人工関節はプラスチックや金属を利用しているが、長く装着していると磨耗してくるため、交換する必要がある。ところが同社の製品は、セラミック素材を使った高機能な製品なので、長期的な装着が可能で交換の必要がない。そこで人工関節の高機能製品を探していた当社が目をつけたというわけ。また、自社開発製品を生産する工場もユタ州に開設する予定で、こちらは世界のマーケットをターゲットにした量産工場にしていく。このほか、ドイツで開かれた医療機器の展示会にも出展。すでに東南アジア・中近東からは販売に関する引き合いも来ているが、今後はヨーロッパへの販売も進めていく。

 「整形外科や脳外科を中心にドクターに対して製品のPR、セールスを行います。担当は地域性になっていて、1日に6〜7件訪問という感じです。売るというより、取り扱い製品の特徴、使い方などを紹介することが主体になっています」

 「当社の製品は、学会で発表されていたり、口コミで広がっていたりで、ドクターはたいてい製品を知っています。興味も持ってくれているので、“売りやすい製品”ですね」

そして時には  「ドクターが骨折部分のレントゲンを見せて、『ほら、こんな感じなんだけど、こういうのにいい製品ないかな?』などと聞かれることがあります。そんな時には、最適な製品を提案して、製品の特徴をアドバイスするわけです」 え? オペですか?

 「『ちょっとさ、見てくれない?』といわれて、手術に立ち会って、患部を見た上で、アドバイスしたこともあります。こわかったけど」 たぶんきっとO型

 「ひょっとすると、もしかしたら、整形外科のドクターにはO型の人が多いのかも。これ以上いうと怒られそうなので、あとはご想像ください」 たとえばここでも

 「病院が舞台の映画にも当社の製品が使われていましたし、スポーツ選手なんかが骨折したときに当社の固定器を使って完治し、カムバックしたという話もよく聞きます」

自由なのです

 「営業の大半は20代と若いけれど、社内は自由度が高く、仕事は基本的に担当者に任されます。自分であれこれ考え、計画を立てて進めていけるのも当社の魅力だと思います」

女性も活躍中

 「営業の努力や業績を正当に評価してくれる会社です。販売拡大のキャンペーンもありましたし、目標をもって仕事ができますね。それに女性も貴重な戦力で、営業ウーマンも活躍中の会社なんですよ」

 以上、右の先輩たちから聞き出した証言の数々でした。