同社は、材料試験機、地震観測機器、振動試験機など、さまざまな精密試験機器の開発・製造を手がけている企業。創業以来80年近くにわたって豊富に技術ノウハウを蓄積しており、これまでに申請・取得した特許・実用新案は170件におよぶ。一方、1993年には精密機器メーカーとして初めて、品質保証の国際規格であるISO9001の認定企業となるなど、技術開発力とともに品質管理面でも確かな評価を受けている。

技術ノウハウの豊富な精密試験機器メーカー

 当社は、70年以上の歴史を持つ精密試験機器メーカーです。1916年の設立以来、“良い環境、良い人間、良い技術”という企業理念を掲げ、社会的意義の高い製品づくりを進めてきました。当社の製品は、産業界、大学、官公庁などさまざまな研究機関に導入され、原材料から最終製品までの検査・試験・研究開発に幅広く利用されています。いわば快適な社会をつくるために欠かせない製品として、各方面の研究開発活動に役立てられているわけです。また、製品の供給先は国内だけでなく海外にも広がり、材料試験機、地震観測機器などを中心に世界各国のユーザーへと製品を納入しています。近年は、精密測定器の分野で世界的な実績を持つミツトヨ・グループの一員として、より安定した経営基盤のもとで事業を展開中です。

地震予知から宇宙開発まで幅広い分野で活用される製品

 一口に“精密試験機器”といってもその内容は多種多様です。当社の主要製品は、「材料試験機」「振動計測機器」「地震観測機器」「振動試験機」「釣り合い試験機」の5つに大別されます。

 とくに材料試験機は精度・性能・品質の点で優れ、素材から二次加工品まであらゆる材質の管理や研究開発に活用されています。研究機関の間では“硬さといえば当社”というほどの評価を得ています。

 また地震観測機器は、地震国日本の重要なテーマである地震予知や地震による二次災害防止に貢献。気象庁や国立防災科学技術研究所など、専門の研究施設に数多く導入されています。

 さらに振動計測機器については、自動車や航空機、プラントエンジニアリング、電子機器、家庭用品、建造物まで幅広い分野で、快適さの実現に役立てられています。このほか、振動試験機はNASDA(宇宙開発事業団)や宇宙科学研究所にも納入され、ロケットや人工衛星といった宇宙開発の分野でも生かされています。

数多くの画期的な新技術・新製品を開発

 当社では1926年に日本で初めて「松村式多能材料試験機」を開発したのをはじめとして、これまでに画期的な新技術・新製品を数多く生み出してきました。今日までに取得した知的所有権は国内・海外を合わせて、特許125件、実用新案45件(いずれも出願中のものを含む)にのぼっています。また1993年には、相模工場がISO(国際標準化機構)の品質保証規格であるISO9001の認定企業として、日本品質保証機構(JQA)から登録されました。国内の精密試験機器メーカーとしては第1号の認定企業であり、技術開発力だけでなく品質管理体制における厳しい企業姿勢も示す結果となっています。