工業製品の小型化・精密化が進み、寸法や表面精度などを精密に測定する技術のニーズが高まっている。同社は精密測定機のメーカーで、製品アイテムは5000以上。業界内でも高いシェアを獲得しており、産業界の発展を根底から支える存在といえる。また、海外戦略にも積極的で、拠点は23カ国に50カ所、80カ国以上に販売代理店網を築いている。研究開発拠点も日本、アメリカ、ヨーロッパに設けており、グローバルな事業を展開中だ。

5000を超える製品を持つ、
精密測定機器メーカー

 当社は60年以上の歴史を持つ精密測定機器・システムの開発・製造メーカー。近年は工業製品の軽薄短小化が進み、寸法精度も高まっています。測定は2次元から3次元へ、さらに自動車のエンジンブロックのように微妙なアンジュレーション(起伏)を持つ曲面を0.1ミクロンの精度で計測するような技術が求められています。当社では機械、電気、光学、コンピュータソフト・ハード、画像処理などの先端技術を駆使し、精密投影機、実体顕微鏡、3次元測定機、非接触測定機など、高技術な製品に取り組んでいます。製品の数は5000を超え、業界内で50%のシェア(1993年実績、日本精密測定機器工業会調べ)を築いています。

海外23カ国に50拠点を構え、
グローバルな事業を展開

 当社は、輸出比率50%以上、海外23カ国に50拠点を構え、80数カ国で販売代理店網を築いています。現在、各メーカーの生産活動は国境を越えた形で進み、国際水平分業も当たり前になっています。当社ではこうした国際化の動きを予測し、早くから海外展開を図ってきました。海外の工場や販売会社の開設に際しては地域に根ざした活動をめざし、日本からの出向者とともに多くの現地社員を採用。その国の状況や国民性に合わせたマーケティング戦略を展開しています。また、年1回は海外拠点の担当者を集めた代表者会議を開催。技術部門から管理部門まで、各分野のスタッフがミーティングを行っています。

日本、アメリカ、ヨーロッパに
研究開発拠点を設置

 世界のマーケットの細かいニーズに応えた製品を供給するため、販売や生産に加えて研究開発拠点の海外展開も進めています。川崎、筑波の開発研究所でエレクトロニクスや光学に関する基礎研究を行う一方で、アメリカ(2カ所)とドイツにソフトウェアの開発拠点を開設。アメリカにはセンサを研究するラボも設けています。このほかオランダにも基礎研究所があり、世界的な規模で研究開発に取り組んでいます。