たとえばエネルギー問題を解消する、
“太陽光発電システム”も、
屋根の会社の新製品だったりする

 当社は、金属屋根業界のパイオニア企業である。従来は不可能とされていた「金属横葺屋根」をはじめ、数々の画期的な製品を開発し、業界の常識を塗り替えながら成長を続けている。近年では太陽電池を屋根に一体化して組み込むシステムを開発。これは環境に配慮した未来志向の製品であり、今後の急成長が見込まれている。社内では実力主義が貫かれ、新卒入社3年目にして所長に昇進した社員もいる。

実は全部“屋根”

 当社の製品や技術力に対する信頼は、その施工実績を見れば一目瞭然である。金属屋根は外観のデザイン性に優れ、とくに金属横葺屋根は横のラインが美しいデザインを可能にしている。そのためホテル・レジャーゾーン、文化施設や美術館、あるいは工場や研究所まで、大型建築物を中心に豊富な実績を築いている。また、当社では銅板成型瓦「本瓦棒元旦84」という製品も持ち、神社・仏閣といった伝統的な和風建築の分野でも強さを発揮している。このほか、セラミック関連製品や、建物に必要な外壁材などもあり、事業実績は限りなく広がっている。

ここまで強い

 屋根の業界は大まかにいって、“金属屋根業界”と、粘土瓦やスレートなどを素材とする“窯業系屋根業界”とに分けられる。当社が属するのは、前者の金属屋根業界である。この業界には横葺屋根、縦葺き屋根など各種の分野があり、全体では6000億円近い巨大なマーケットを形成している。しかも、金属屋根特有の施工・メンテナンスのしやすさ、品質・機能の高さ、デザイン性、低コスト性といった理由からニーズが拡大しており、ここ数年間2ケタ成長を続けている将来有望な有望業界なのである。こうした中にあって当社では、金属屋根業界全体でおよそ10%のシェアを築き、業界第3位というポジショニングを確立している。さらに、金属横葺屋根マーケットでは業界ナンバーワンの46%という高シェアを獲得。まさに金属屋根業界のパイオニア企業としての歩みを続けている。

すべて成長

 成長性の高い業界に属する当社だが、好調な業界の勢いに頼る考えは全くない。当社では、“新しい分野を切り開くことが企業の使命である”という信念を貫き、自らの力でマーケットを創造し、むしろ業界をリードする形での成長をめざしている。こうした積極的な企業姿勢が、業界平均を上回るレベルでの成長率を実現する原動力になり、売上高、経常利益、純資産など、あらゆる面において4期連続で成長・拡大を果たしているのだ。その事業規模も、現在までに全国5支店30カ所の拠点を開設するまでになり、工場は6カ所におよんでいる。

環境を考える

 屋根の歴史は4000〜5000年前に竪穴式住居が出現した時代に端を発している。雨風をしのぐものでしかなかった屋根も、ライフスタイルの多様化によって住環境の快適さ、美観をつくりだす重要な要素になってきた。住文化は屋根の機能とともに高まってきたと言っていい。当社では屋根を単体としてではなく、住宅全体、社会全体をも包括した一つのシステムとして考えている。1993年8月に商品化した屋根一体型太陽光発電システムは、新しい住文化創造に向けた商品。これは太陽電池を屋根に一体化して組み込む未来志向の“屋根システム”である。クリーンエネルギーの利用というメリットはもちろんのこと、屋根部分に太陽電池パネルがランダムな形で設置できるため、デザイン面でも制約がなく、自由な設計が可能。すでに自治体からも数多くの引き合いが寄せられている。

将来も明るい

 屋根一体型太陽光発電システムは、株式上場をめざす当社にとって、今後の事業展開の上で中核的な存在になっていく。産業や生活など、大切な地球環境を守る方法やシステムをあらゆる側面から開発していくことは、もはや世界レベルの最重要テーマになっている。もちろん、日本国内でも国家的な体制を敷いて、このテーマに取り組んでいる。通算省資源エネルギー庁では、太陽電池を利用したエネルギー利用システムを一般住宅へと本格的に利用・普及していくことをめざして、1994年度から太陽電池のモニター事業をスタートした。しかも、設置に際しては公的な補助制度を設けて推進していくため、住宅分野での太陽電池関連のマーケットは加速度的な勢いで拡大していくことが予測されている。そして、いずれは社会に欠かせないエネルギー利用システムへと進展していくはずである。

相手に不足なし

 当社の製品の特徴は、一つにはその“美しさ”があげられる。屋根としての機能性に優れていると同時に、意匠・デザイン性に富み、自由な設計が可能である。そのため、ゼネコンや大手設計事務所から外観を重視した建築物を設計する際に、商談を持ちかけられることが多い。人々の注目を集めるような建築物を手がけられるのも、営業社員のやりがいである。通常、営業活動は製品のPR活動、情報収集、プレゼンテーション、そして競合の場合は入札を経て契約までを担当していく。知識をもとに提案型・コンサルティング型の営業活動を進めていくわけだ。また、屋根一体型太陽光発電システムなどの登場によって住宅分野へも活動の領域は広がり、環境に配慮したシステムを普及させていくことで人々の環境意識を高めていくという役割も持っている。大きな手応えが感じられる仕事なのである。

教育心配なし

 “個人の創造性と能力をフルに引き出していく”という教育ポリシーを貫く当社では、長期的な視野での人材育成を行っている。教育研修の柱になっているのが、「部門別研修」「職能別研修」「教養講座」である。新入社員研修では3週間にわたって、社会人としての基礎から製品知識、技術的な基礎知識を吸収、製品や現場を理解するために、工場・現場での実習にも参加する。その後は、OJTを中心にして実戦力を養成していく。また営業関係では、プロフェッショナルを育成するための営業マン研修も行っている。このほか、階層別研修、外部研修、あるいは在職10年以上の社員を対象とした海外研修などまで、自己の実力を高める機会を数多く用意している。また、公的な資格取得も強力にバックアップ。特別講習や援助制度を設けることによって、スキルアップ、研鑽に対する意欲の喚起に役立てている。

これが当たり前

 当社では徹底した実力主義を貫き、年齢やキャリアにとらわれず、実力と実績にもとづいた人事考課を実践している。一例を挙げると、新卒で入社して3年目という若さで、所長に就任した先輩もいるほどだ。実力主義の採用にあたっては、個人の能力を最大限に引き出し、公正に実力・実績を評価していくために職能資格制度を導入している。そのため、能力に従って順次ランクアップされ、一定のランクに達すると管理職となる。職能資格制度は、社員本人が現在の自分の実力ランクを的確に把握できるということでもメリットが多く、また今後身につけるべき能力も明確になっているため、目標設定がしやすい。営業でも管理でも、職種に関係なく、頑張れば頑張っただけのものが自分に返ってくる仕組みになっているのだ。こうした実力主義の社風が、社員一人一人のパワーになっているのである。