産業や経済や生活は確実に変わっていく。
そのときネットワークサービスは、
社会に何を提案すべきか。

 情報通信技術の進化が、社会のあり方を変えてきていることは誰もが認める事実だろう。しかし、通信ネットワークが一般家庭の毎日の生活にフル活用されるようになり、電話やテレビのように本当に社会の隅々にまで浸透していくのはむしろこれから。その時には、現在の“キーボードと画面”という端末のスタイルも大きく変わっているだろうし、想像もつかないサービスが提供できるようになっているだろう。その意味でもネットワーク通信は未知の分野である。誰にも想像がつかないメディアの将来を切り開いていく。当社はその企画・提案者なのである。

メディアミックスという考え方

 放送局の番組の中でネットワーク通信を併用する例が急増している。双方向メディアとしての機能が着目され、視聴者の声を集めた視聴者参加型の番組づくりの一環だ。今後の可能性として、大規模な国際会議や展示会などのイベントとネットワークとを融合。画像や文字情報などのデータ送受信を、リアルタイムで国際間で送受信できるため、イベントのあり方も変わっていくだろう。

公共サービスはどこまで変わるか

 1人が1台のネットワーク端末をもつ時代は確実にやってくる。すると戸籍抄本や住民票の発行、パスポート申請、税務申告をはじめとする申請業務まで、今まで役所の窓口まで足を運んでいたものがネットワーク上で可能になる。利便性というだけでなく、データ化によるトラブルなどの回避にも役立っていくはずだ。

新流通システムとしての期待

 ネットワーク上で商品を注文し、購入する。とくに書籍はデータベース検索機能が有効で、お客様が求めている本を自分で探し出せる。また、ソフトウェアのようなデータ化された商品もネットワーク上で納品ができるメリットがある。今後の焦点は、“受・発注”の合理化ではなく、ネットワークを物流に、コンピュータを商品選択に生かす時代に発展させていくことだろう。

10年先の企業内LANの姿

 企業が独自にネットワークを構築・所有すると、運用面、資金面、人材面での負担が大きい。そこで注目されているのが、当社の膨大なネットワークの一部を企業内ネットワークとして利用する方法である。当社のサービスエリアには、すでに195もの企業内ネットワークが構築されている。効率的に、短期間でネットワークを築く手法として、利用企業は急ピッチで増えている。

情報通信時代の新業態の出現

 既存の産業がネットワークを利用した時代から、ネットワークを前提とした全く新しいビジネスが生まれ時代へ。さまざまな新業態が次々と生まれようとしている。一つの例が、マーケティングリサーチである。全世界一斉に情報が集められ、しかもリアルタイムでの収集・集計も可能なのだ。

想像される将来の医療の一例

 将来は、動画像のリアルタイム送信が実現し、ネットワークに翻訳機能も装備されるだろう。そうなれば、日本にいながら米国の医師に診断してもらうことも夢ではない。動画像と音声、カルテや処方箋などのデータもやりとりされ、国際医療の新時代が訪れるわけだ。