NEO INTERIGENCE。 新しい経営手法によって、多面的なビジネスを進める総合商社

 当社は、“住”というキーワードのもとに多彩なビジネスを展開する総合商社である。早くから社内に製造・技術部門を設置し、メーカー機能を最大限に発揮。また新しい技術や商品などにも目を向け、社内にノウハウを吸収。豊富な知識を武器にしたコンサルティング・スタイルの営業活動を展開している。人材活用でも、マネジメントや新事業開拓など、社員の能力に応じた仕事を早くから任せるなど、新しい経営手法を随所に見せている。

当社は設立当初から、モノづくりを行う部門を持っている

 “商社”という言葉からはどうしても“商品を仕入れて販売する”というイメージでとらえられがちだが、当社はこうした概念にとらわれない企業である。その一例としてあげられるのが、メーカー機能である。当社は“住”“生活”というコンセプトをもとにした総合商社で、10社のグループ関連企業を持っている。もちろんグループの中核企業としての役割も果たしている。関連会社の中には㈱ウェルダンノーブルハウスのように北欧系住宅の建築事業に取り組み、「モノづくり」に携わっている企業もある。さらにユニークなのは、自社内に建築物の設計・プランニングから施工管理までを手がける建設部門も設けていることだろう。協力企業に頼るのではなく、早い時期から自社圏内に製造部門や技術部門を有し、メーカー機能を十分に生かした事業を展開してきた。設立当初から業種の垣根を超えて、各分野のノウハウの融合を図りながらビジネスを切り開く新しいスタイルの商社なのである。

当社の事業形態は、まさに“多面体”という表現が似合わしい

 当社の事業をひとことで言うなら、“住に関連する総合商社”ということになるだろう。現在では、建材部門、シポレックス(軽量気泡コンクリート)部門、ツーバイフォー部門、カラーベスト(不燃性建材)部門、サッシ部門、鉄鋼二次製品部門、そして前述した建設部門まで、7つの事業部門を設けている。また一方では、ホームセンターやカーショップなど一般消費者をターゲットにした店舗経営にも取り組んでおり、生活産業の分野にまで活動の領域を広げている。人々のライフスタイルが多様化していく中にあって、“住宅”や“生活”に関して幅広いニーズに的確に応えていく体制を整えているわけである。その事業形態はまさに“多面体ビジネス”と呼ぶにふさわしい。さまざまな事業をそれぞれのセクションが専門的に行っていくことで、住宅や生活に関する広範なノウハウを社内に蓄積し、さらに各部門の融合を図る。そして豊富な知識にもとづいた提案型の営業活動へと結びつけているのである。

常に最適の商品やシステムを考え、提供・提案していく営業スタイル

 当社は、さまざまな面で欧米企業のノウハウを取り入れてきた。一般に営業スタイルには、ハイプレッシャー型とコンサルティング型の2種類があるといわれている。当社の営業活動が、後者のタイプに属することはいうまでもない。そもそも当社は“住”という世界では、比較的新しい企業であり、設立以来、常に商社が本来あるべき姿を模索し続けてきた。業界他社のマネをするのではなく、他社が手がけていない新しい商品・新しいビジネスにも目を向けながら、ニーズを先取りする形でビジネスを拡大してきた。また独立系の企業であるため、日本特有の“系列”という概念も持っていない。建材部門一つをとって見ても、社員はあらゆるメーカーのあらゆる商品を手がけることができ、それらを柔軟にコーディネイトしていけるわけだ。最適な商品がなければ、新たに開発していくという精神も持っている。こうしてユーザーのニーズに対して、最適の商品やシステムを提案・提供していくのである。

社会への有益性を考える企業姿勢

 企業活動は、事業を通じて社会に貢献するものでなければならない。これは、当社が掲げる基本理念である。大前提として事業は社会にとって有益なものでなければならないし、利益の一部を社会貢献に役立てていくのは企業としての当然の使命といえるだろう。関連会社の㈱ウェルダンノーブルハウスでは、デンマークのコンセプトにもとづいた高品質住宅に取り組んでいるが、単に質の良い住宅を供給するだけでなく、もう一歩進んだ活動をめざしている。北欧の技術を生かした住宅であるだけにグリーンコンシューマ的な考え方が根付いており、暖冷房システムには環境に配慮したクリーンエネルギーが利用されている。確かに日本国内でもリサイクルという切り口で環境意識が高まっているが、住宅、それも生活に関するエネルギーの面ではまだまだである。事業を通じて人々の意識をさらに高め、地球に優しい社会を形づくっていきたい。当社はそんな企業哲学、企業文化を持った集団なのである。

横割りの機動的な組織を形成

 現在、産業界では新しい企業体質づくりをめざしたリストラクチャーが盛んに進められている。その中心になっているのが、事業を進めていくうえで、あるいは収益性の面で、ここにきて多くの無駄が生まれてきた日本企業特有の従来型の縦割り組織の見直しである。当社では、グループ企業体という形態からもわかるように、設立以来一貫して横割りの組織づくりを進めてきた。こうすることによって間接部門の効率化、経営感覚を持った人材育成とその形成、あるいは経営トップと各事業部門の距離の短縮による機動力の発揮などの面で大きな効果を上げている。このように成長力を持った各事業部門ビジネスを拡大していく。だから、当社の中に一つの新しい“チーム”ができたとすると、事業が成長してもそのチーム自体は決して大きくならない。代わりにチームの“数”が増えていくのである。そして、そのあとに統合という形をとって一大企業パワーを結集しても遅くはないと考えている。

社員一人一人の能力を見つめる

 当社では、人材活用という点でも欧米企業の手法が取り入れている。多くの企業で年功序列を基本とした人事制度が見直されてはいるものの、完全な実力主義・実績主義への移行はまだまだこれからの課題といえる。逆に欧米に進出した日本企業の“社員=ファミリー”というコンセプトが現地で評価されるなど、人に対する考え方はお互いに吸収すべき点が多い。とくに当社が注目しているのは、欧米式の能力別・職種別採用であり、一つの部門・職種のプロとしての人材活用である。当社では、マネジメント能力を買って採用した社員には、高い能力を持っていれば若い時期から事業部門のマネジメントを任せる。またコンサルティング営業のセンスを買った社員は、営業のプロとして育成していく、というポリシーを貫いている。社員の側から考えれば、キャリアや年齢には全く関係なく、実力次第で大きなチャンスが広がっているということにもなる。これからは20代の課長や事業運営責任者も数多く誕生していくはずである。